A01:現役薬剤師

【要注意】ツムラの漢方の注意点【3g・3.5g包の漢方】

ツムラの漢方は、2.5g/包の製剤が大半を占めます。

一方で、小青竜湯や麦門冬湯は、3g/包ですので、調剤の際には、気をつけなければなりません。

この記事では、2.5g/包以外のツムラ漢方をまとめます。

一覧表

3g/包のツムラ漢方

  • 19番: 小青竜湯
  • 29番: 麦門冬湯
  • 34番: 白虎加人参湯
  • 64番: 炙甘草湯
  • 77番: 芎帰膠艾湯
  • 90番: 清肺湯
  • 92番: 滋陰至宝湯
  • 98番: 黄耆建中湯
  • 108番: 人参養栄湯
  • 114番: 柴苓湯

3.5g/包のツムラ漢方

  • 97番:大防風湯

2.5g/包だが、1日量が7.5gでないツムラ漢方

  • 100番:大建中湯 → 15g/日
  • 98番:黄耆建中湯 → 18g/日


2.5g/包以外のツムラ漢方をなぜ確認するか

1-138番まで存在するツムラの漢方ですが、全部で138種かというと、そうでありません。

4、42,49などは語呂が悪いので存在しません。また、501番の紫雲膏や3020番の加工ブシ末なども存在します

ツムラの漢方の多くの用法の記載を確認すると、

「通常、成人に7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する」

とあります。

つまり、2.5g/包の製剤が、大半であるがわかります。

ですが、冒頭の一覧のように、2.5g/包以外の漢方もあります。

この分包の容量の違いで起こりうる 疑義紹介 や インシデントのケースをいくつか想定してみましょう。

ケース1

患者)成人男性
ツムラ 小青竜湯 1日7.5g  
1日3回 毎食前 5日分

もちろん、小青竜湯は、3g/包の製剤であるため、
通常の成人の患者様であれば、疑義紹介の対象になるケースです。

薬局薬剤師

確認なのですが、〇〇様のツムラ小青竜湯は1回1包の処方でしょうか?

医師

そうです

薬局薬剤師

ツムラ小青竜湯は1包が3gとなるため、1日量9gの処方ということでよろしいでしょうか

上記は、比較的に多くみる漢方に関わる処方箋の記載ミスですね。

小青竜湯には、「麻黄」を含むため、医師は胃腸障害を懸念した可能性もあります。
その場合は、再分包を行う必要があります。

ケース2

患者)成人男性
ツムラ 大建中湯 1日7.5g  
1日3回 毎食前 5日分

冒頭の一覧表でもあるように、 ツムラ大建中湯の1日量は15g です。

しかし、焦って疑義紹介するのは間違いかもしれません。
まずは、落ち着いて、前回までの処方と薬歴、疑義照会歴・患者背景を確認しましょう。

患者

この量でずっと続けていて、症状も安定しているよ

ということであれば、処方に問題はありませんし、

ツムラ大建中湯は用法・用量に「適宜増減」をもつため、この量でもレセプト請求上でも、間違いではありません。

大建中湯に関しては、7.5gで開始し、次回15g/日に増やすという服用法も見たことがあります。

近隣のクリニックの処方の特徴を確認しておくといいでしょう。

ケース3

ツムラ 小青竜湯 1日3包 
毎食前 5日分

ツムラの漢方 = 2.5g と覚えており、
薬局のレセプトコンピュータの仕様で、グラム表記で入力しなければならない場合、

医師は、1日9g の想定であったとしても、
1日7.5g で請求してしまうことになります。


調剤の確認を、レセプトコンピューターの入力をベースに行う、ミスゼロ子や、監査レンジを元に行っている場合、インシデントに繋がってしまうかもしれません

ピッキングシステム ミスゼロ子
調剤監査システム audit




患者様に、正しく服薬頂くためにも、分包量の違いは、しっかり押さえておきましょう!

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