A01:現役薬剤師

【注意を要する生薬】その生薬、どのくらいまでなら安全ですか?【甘草・麻黄・大黄・山梔子】

今回注目するのは、漢方ではなく、漢方を構成する生薬にスポットライトをあてて見ようと思います。

漢方のイメージとしてよく挙げられるものは、

  • 副作用が少ない
  • オーガニックで体にやさしい
  • 苦い・くさい
  • 効果効能がわかりづらい

などが挙げられると思います。

確かに、漢方は、
体の一部分だけにスポットをあてるのではなく、体全体の状態のバランスを総合的に見直すと行った特徴があるため、
未病(病名がついていない不調)にもアプローチすることが可能です。

一方で、さまざまな成分を含む漢方だからこそ、
気にしなければいけないポイントも多くあります。

今回は、星の数ほどある生薬の中で4種類の生薬を見ていきましょう!

その前に、漢方の副作用を考える時に、もっとも有名と言っても過言ではない【小柴胡湯】を振り返ってみましょう。

小柴胡湯

小柴胡湯は、
急性熱性病・肺炎・気管支喘息・気管支炎・感冒・リンパ腺炎・慢性胃腸障害・産後回復不全に適応を持つ漢方ですが、

インターフェロン製剤との併用で起こりうる間質性肺炎が有名な漢方です。

一時期、肝炎への良いアプローチとして、小柴胡湯が多用されていた時期ありました。

死亡例が出るまでの事件にまで発展してしまった原因は、
『証』があっていなくても、あらゆるケースで処方されてしまったことが、指摘されることもあります。

間質性肺炎の真犯人は諸説ありますが、

  • サイコ
  • オウゴン
  • ハンゲ

が、犯人として疑われているようです。

添付文書にも、下記の記載があります。

発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。

小柴胡湯 添付文書

発熱・呼吸器症状をしっかりとモニタリングするようにしましょう。

間質性肺炎に注意を要する漢方

ちなみに・・・・

小柴胡湯 と 五苓散 の合方である 柴苓湯の添付文書
には、間質性肺炎が禁忌になってはおりません。

しかし、重大な副作用には明記されているので、
こちらも発熱・呼吸器症状は、しっかりとモニタリングするようにしましょう。

■間質性肺炎に注意を要する漢方

3・・・  乙字湯
8・・・  大柴胡湯
10・・・ 柴胡桂枝湯
11・・・ 柴胡桂枝乾姜湯
12・・・ 柴胡加竜骨牡蠣湯
14・・・ 半夏瀉心湯
15・・・ 黄連解毒湯
19・・・ 小青竜湯
20・・・ 防已黄耆湯
29・・・ 麦門冬湯
41・・・ 補中益気湯
51・・・ 潤腸湯
62・・・ 防風通聖散
90・・・ 清肺湯
96・・・ 柴朴湯
104・・・ 辛夷清肺湯
107・・・ 牛車腎気丸
111・・・ 清心蓮子飲
114・・・ 柴苓湯
121・・・ 三物黄芩湯

漢方 各論

甘草

主要成分はグリチルリチン。

主な薬効は去痰・鎮咳・消化性潰瘍薬です。

7割近い処方に配合される頻出の生薬として用いられるのは、
漢方として他の生薬とのまとめ薬として有用だからです。
(作用の強すぎる薬に対しては、毒性を緩やかに
 作用の緩やかな薬に対しては、薬効を補強させたり)

カンゾウの効き方と薬効


グリチルリチンは、腸内細菌の算出するβグルクロニダーゼによりグリチルリチン酸へと代謝され、体内に吸収されます。

その薬理作用は、

  • 鉱質コルチコイド様作用
  • 糖質コルチコイド作用
  • エストロゲン様作用
  • 抗炎症作用
  • 抗アレルギー作用      

などが挙げられます。副作用として特に問題になるのは、
鉱質コルチコイド様作用です。

もう少し、この鉱質コルチコイド様作用を見ていきましょう。

偽アルドステロン症


コルチゾールの代謝をグリチルリチン酸が阻害し、
増加したコルチゾールが、尿細管の鉱質コルチコイド受容体に作用して、鉱質コルチコイド様症状が生じます。

これが、副作用として生じた病態が、いわゆる「偽アルドステロン症」です。

尿細管において、ナトリウムの再吸収の促進とカリウムの排泄が起きるため、低カリウム症状が生じます。

初期症状は、

  • 手足のだるさ
  • しびれ
  • つっぱり感
  • こわばり

がみられ、これらに加えて、

  • 力が抜ける感じ
  • こむら返り
  • 筋肉痛

が現れて、だんだんと重篤化すると言われています。


使用開始後、10日以内の早期に発症したものから、数年以内の使用後に発症が確認されたものもあるため、使用期間と発症との間に一定の傾向は認められませんが、
使用開始後、3ヶ月以内に発症したものが約40%を占めるため、
この期間には特に注意を払う必要があります。


日本国内の統計では、50-80歳台で副作用が確認された割合が全体の80%であり、女性の方が2倍発症しやすいです。

この事から、低身長・低体重など体表面積の小さい患者・高齢者で生じやすいことがわかります。

グリチルリチンの含有量と上限量

漢方中に含まれる甘草が2.5g/日を超えると低カリウム血症を生じやすいとされています。

1g中の甘草に含まれるグリチルリチンは、約40mgとされていますが、
1日量として、甘草7.5g(グリチルリチン300mg)を上限として超えないように確認が必要です。

その他、
既往として、低カリウム血症をのある患者や、
チアジド系利尿剤などの併用薬のある患者では、注意をするようにしましょう。

【表】甘草を2.5g以上含む漢方製剤(1日量)

甘草を2.5g以上含む漢方製剤(1日量)

■6.0g — (グリチルリチン:約240mg)
68・・・・・・芍薬甘草湯

■5.0g— (グリチルリチン:約200mg)
72・・・・・・甘麦大棗湯

■3.0g— (グリチルリチン:約120mg)
19・・・・・・小青竜湯
32・・・・・・人参湯
56・・・・・・五淋湯
77・・・・・・芎帰膠艾湯
82・・・・・・桂枝人参湯
120・・・・・・黄連湯
122・・・・・・排膿散及湯
138・・・・・・桔梗湯

■2.5g— (グリチルリチン:約100mg)
14・・・・・・半夏瀉心湯

※甘草 2.5g以下は、割愛。

【表】甘草を含まない漢方製剤

甘草を含まない漢方の方が少ないため、
こちらの一覧もご活用下さい。

甘草を含まない漢方製剤

007・・・・・・八味地黄丸
008・・・・・・大柴胡湯
012・・・・・・柴胡加竜骨牡蛎湯
015・・・・・・黄連解毒湯
016・・・・・・半夏厚朴湯
017・・・・・・五苓散
021・・・・・・小半夏加茯苓湯
023・・・・・・当帰芍薬散
025・・・・・・桂枝茯苓丸
030・・・・・・真武湯
031・・・・・・呉茱萸湯
033・・・・・・大黄牡丹皮湯
036・・・・・・木防已湯
037・・・・・・半夏白朮天麻湯
040・・・・・・猪苓湯
046・・・・・・七湯降下湯
057・・・・・・温清飲
069・・・・・・茯苓飲
071・・・・・・四物湯
087・・・・・・六味丸
100・・・・・・大建中湯
104・・・・・・辛夷清肺湯
107・・・・・・牛車腎気丸
116・・・・・・猪苓湯合四物湯
117・・・・・・茵蔯五苓散
121・・・・・・三物黄芩湯
125・・・・・・桂枝茯苓丸加薏苡仁
126・・・・・・麻子仁丸
127・・・・・・麻黄附子細辛湯
133・・・・・・大承気湯
138・・・・・・茵蔯蒿湯

麻黄

主要成分は、エフェドリン。

主な薬効は、
鎮咳・去痰・抗炎症・発汗・解熱成分です。

エフェドリンの効き方 と ドーピング


中枢神経興奮作用(覚醒作用・鎮痛作用)に加え、
交感神経興奮作用(心拍数増加、発汗作用、気管支拡張作用)があります。

β2受容体の刺激による気管支拡張作用を主作用とすることが多いです。

また、エフェドリンは、ヒロポンという名称で知られている覚醒剤のメタンフェタミンの前駆物質でもあります。

ちなみに交感神経興奮作用持つがゆえに、スポーツ競技のドーピング検査では禁止薬とされています。


その他の対象薬剤は下記より確認を行うようにしましょう

【外部リンク】公益財団法人 日本アンチドーピング機構https://www.playtruejapan.org/code/provision/world.html

エフェドリンの服用で注意をするべきこと


末梢循環を損なうことがあり、胎盤への血流を損なう可能性があるため、
妊婦への長期服用は避けた方が良いでしょう。

その他の注意点

■循環器:
交感神経の興奮作用があるということは、
心臓への刺激もあるといういうことです。

α1受容体を介する血管収縮作用
β2受容体を介する心拍数及び心収縮力の増加とそれに続く心拍出量の増加が考えらえれます。

α1受容体の活性が過度になると、不整脈などを誘発する危険性が高まります。

■消化器:
エフェドリンは、弱いながらも胃・小腸・大腸平滑筋の運動を抑制することがあるため、胃腸虚弱の方では胃部不快感を生じることがあります。

■泌尿器:
交感神経の興奮により、膀胱括約筋は収縮し、排尿筋が弛緩するため、排尿困難を引き起こすことがあります

そのほかにも、
MAO阻害剤(モノアミン酸化酵素剤)とエフェドリンの併用で、
MAOの阻害により、ノルアドレナリンの放出を促すことでエフェドリンの作用が増強する例や、

キサンチン誘導体・ステロイド剤・利尿剤との併用で、低カリウム血症が生じた例もあります。

エフェドリンの含有量と上限

麻黄に含まれるエフェドリンの含有量は、報告により様々。

麻黄の主なアルカロイドは、
エフェドリンの他に光学異性体のプソイドエフェドリンがある。プソイドエフェドリンはエフェドリンと比べ、血圧上昇・心拍増加・中枢作用は弱く、気管支拡張作用は同等で、抗炎症作用や利尿作用は強いとされています。

麻黄1gあたりに含まれるエフェドリンとプソイドエフェドリンの含有量は、

およそ

エフェドリン + プソイドエフェドリン →7mg-16mg

エフェドリン → 5mg - 11mg

であるとされています。

エフェドリンの常用量は、

12.5-25mg/回 を 1日1-3回であるため、上限量は、75g/日であると設定出来ます。

麻黄 1g に含まれる
エフェドリン + プソイドエフェドリンを 7mg - 16mgとすると、

1日の麻黄の上限量は、
およそ 4.7g - 10.6gであることがわかります。

【表】麻黄を含有する漢方製剤(1日量)

麻黄を含有する漢方

■6.0g
028・・・・・・越婢加朮湯

■5.0g
027・・・・・・麻黄湯
085・・・・・・神秘湯

———-↑これだけで麻黄の上限↑—————–

■4.0g
052・・・・・・薏苡仁湯
055・・・・・・麻杏甘石湯
078・・・・・・麻杏薏甘湯
095・・・・・・五虎湯
0127・・・・・・麻黄附子細辛湯

■3.0g
001・・・・・・葛根湯
002・・・・・・葛根湯加川芎辛夷
019・・・・・・小青竜湯

■1.2g
062・・・・・・防風通聖散

上記の一覧を参考にすると、
麻黄を5.0g以上含む
・麻黄湯
・神秘湯
・越婢加朮湯  では、この処方だけで、
エフェドリン上限量に達してしまっていると考えられます。

プソイドエフェドリン

ちなみに、H27.3.25 各都道府県知事宛 厚生労働省医薬食品局長通知では、

一般用医薬品の、プソイドエフェドリンの含有上限量は、180mg/日とされており、
医療用医薬品のディレグラ配合錠には、240mg/日が含有しています。

こちらでは、プソイドエフェドリンの鼻閉に対する作用
(α交感神経の刺激し、鼻粘膜の血管平滑筋の収縮させ、血流を減少させる事による鼻粘膜の充血や腫張を軽減させる作用)
に対し用いられています。

大黄

主成分は、センノシド。

主な薬効は、緩下・駆瘀血剤です。

センノシドの効き方


内服時には、不活性であるものの、
大腸内で、腸内細菌由来の酵素により加水分解され、レインアントロン(アントラキノン系代謝物)という活性体に変化し、大腸粘膜や腸粘膜に接する、アウエルバッハ神経嚢を直接刺激し、蠕動運動を誘発させることに加え、
水分とNaの吸収を阻害して、便に対する湿潤作用をもたらすと考えられています。

センノシドを服用しても、
効果の出やすい患者とそうでない患者がいるのは、腸内細菌嚢の違いにあるとの研究もあるようです。

センノシドを含む製剤は、市販薬にも多く、
武田の漢方便秘薬は、大黄甘草湯ですし、センノシドを製剤化した商品も複数あります。

大腸メラノーシス


大腸メラノーシス(大腸黒皮病)という症状はご存知でしょうか?

原因は、センナ・大黄・アロエなどの大腸刺激性物質(アントラキノン系)です。


前述した通り、
様々な医薬品・商品にも含まれているこの大腸刺激性物質を、
長期間使い続ける結果、メラニン様色素がマクロファージに貪食されることにより、大腸粘膜が淡褐色から黒褐色を呈するとされています。

アントラキノン系下剤を連日で4ヶ月程度服用すれば生じ、
断続的な服用でも、9ヶ月から1年ほどで大腸メラノーシスになると言われています。

大腸メラノーシスに自覚症状はありませんが、
色素が腸管の神経に影響し、大腸の働きを悪くしてしまうことがあります。

便秘で服用していたのに、更に症状の悪化と難治化させてしまうことになりますね。

しかし、大腸メラノーシスの原因となっている下剤を1年程度控えることで、色素が消え、元に戻ると言われているので、過度に心配する必要はありません。

ダイオウと授乳

センノシド・センナ・ダイオウは、
乳汁中への移行量は、非常に少ないため、
通常量では問題ないとはする報告もある一方で、
慢性的な服用で、乳児に下痢を起こす可能性があると注意換気をされています。

授乳をしている方で下剤を使用したい時には、
刺激性下剤であれば、ピコスルファートナトリウム・ビサコジル
又は、酸化マグネシウムなどへの変更が望ましいでしょう。

ピコスルファートナトリウム

ピコスルファートナトリウムは、腸内細菌の分解によりジフェノールとなり、アウエルバッハ神経嚢を直接刺激して、蠕動運動を誘発。
また、これもセンノシドと同様に、水分吸収を抑制して、便に対する湿潤をもたらす作用があります。

通常、効果の発現は、センノシドと同様に7-12時間後で得られます。
刺激性下剤の中では、比較的マイルドに作用します。

医療用医薬品では、液剤の剤形があるため、調整がしやすいです。

ビサコジル

ビサコジルは、
医療用医薬品として用いられているのは、坐剤のみ。
市販の医薬品ではコーラックなどに含まれます。

結腸・直腸粘膜の副交感神経末端に作用して、蠕動運動を誘発することに加え、腸粘膜への直接的な作用で排便反射を刺激します。
更に、こちらも結腸腔内での水分の吸収を抑制します。

通常、効果の発現は、15-60分と早い段階で得られることが特徴。

センノシドの含有量

ダイオウをダイオウ末として使用する時には、
センノシドAを0.25%以上含むと規定されていますが、
産地の違いなどにより、センノシド類の含有量は0.1-2%の変動がみられるため、個体差が大きい生薬と言われています。

ちなみに、瀉下作用は、センノシド類単独で用いる場合よりも、
大黄として用いた場合の方が、瀉下作用に耐性を生じにくいことが知られています。
これは、アントラキノン類が腸内細菌に抑制的に働くことや、
タンニン類の収斂作用が影響していると言われており、この他の成分も様々な良い効果をもたらすとされ、注目されています。

【表】大黄を含有する漢方製剤(1日量)

大黄を含有する漢方

■4.0g
084・・・・・・大黄甘草湯
126・・・・・・麻子仁丸

■3.0g
061・・・・・・桃核承気湯
105・・・・・・通導散
113・・・・・・三黄瀉心湯

■2.0g
033・・・・・・大黄牡丹皮湯
051・・・・・・潤腸湯
074・・・・・・調胃承気湯
133・・・・・・大承気湯
134・・・・・・桂枝加芍薬大黄湯

■1.5g
062・・・・・・防風通聖散

■1.0g
008・・・・・・大柴胡湯
089・・・・・・治打撲一方
135・・・・・・茵陳蒿湯

■0.5g
003・・・・・・乙字湯
059・・・・・・治頭瘡一方

ちなみに・・・

同じ処方の市販医薬品でも、
メーカーの違いで、大黄が入っているものといないものがあるのはご存知でしょうか?

■ツムラ漢方
柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒では、ダイオウは含まれておりません。

■クラシエ漢方
柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒では、ダイオウが0.5g含まれています。

サンシシ

主成分はゲニポシド。

主な薬効は、緩下・胆汁分泌促進・鎮痛・胃運動抑制作用です。

腸管膜静脈硬化症


サンシシでクローズアップしたのは、【腸管膜静脈硬化症】です。
極めて稀な疾患で、日本人を中心にアジア人のみでの報告があります。


腸管膜静脈硬化症は、腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、静脈還流の障害によって、腸管の血の巡りが滞る疾患で、
患者のほとんどは、10年以上漢方薬の服用歴があることがわかっています。

症状は、

  • 原因不明の腹痛(右側)
  • 下痢
  • 腹部膨満感
  • 吐き気・嘔吐  

などです。 便に血が混じることもあるようです。


治療は、原則薬剤の中止か経過観察で、
薬剤投与を継続しても、悪化しないとの報告もありますが、進行・重篤化し腸管切除術の適応になることもあります。

腸管膜静脈硬化症とサンシシ

明確な原因は判明していませんが、

サンシシ中のゲニポシドが、
大腸の腸内細菌によって加水分解され、生成されたゲニピンが大腸から吸収され、腸間膜静脈を通って肝臓に到達する間に、アミノ酸やたんぱく質と反応し、青色色素を形成するとともに、腸間膜静脈壁の線維性肥厚・石灰化を引き起こし、 血流を鬱滞させ、腸管壁の浮腫、線維化、石灰化、腸管狭窄を起こすと考えられています。

腸管膜静脈硬化症とサンシシの用量

サンシシの用量と服用期間を調べた報告では、
サンシシとして、累積使用量が5000g以上の症例で、腸管膜静脈硬化症を発症しているとの報告もあります。
この報告では、服用期間よりも、累積使用量が重要であるとされています。

【表】サンシシを含有する漢方製剤(1日量)

サンシシを含有する漢方

■3.0g —-(4.5年ほどで5000g)
104・・・・・・ 辛夷清肺湯
135・・・・・・茵陳蒿湯

■2.5g    (5年ほどで5000g)
058・・・・・・清上防風湯

■2.0g   (6.5年ほどで5000g)
015・・・・・・黄連解毒湯
024・・・・・・加味逍遙散
053・・・・・・五淋散
080・・・・・・柴胡清肝湯
137・・・・・・加味帰脾湯

■1.5g   (9年ほどで5000g)
050・・・・・・荊芥連翹湯
057・・・・・・温清飲
076・・・・・・竜胆瀉肝湯

■1.0g   (13.5年ほどで5000g)
062・・・・・・防風通聖散

最後に

ここまで漢方の怖いところをピックアップしていきましたが、
あの有名な 間質性肺炎ですら、発症は10万人に4人程度 と言われています。

小柴胡湯の問題も、記事内で触れた通り、「証」の合わない症例に、
使われすぎたため、顕在化してしまったとも言えるでしょう。

確率で考えると、西洋薬と比べると、
安全性の高い漢方薬。

また、冒頭でも書いた通り、体全体の状態のバランスを総合的に見直すと行った特徴もあります。

更に、武田の漢方便秘薬 など、ドラックストアでも、
取り揃えのある漢方は、セルフメデュケーションにもチャレンジしやすい薬です。


正しく、「証」にあった漢方を、
適切な使い方と用量で使い、
もしもの時の副作用にも、しっかり気づける知識を事前に持つ


これがやはり大事ですね!

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