A01:現役薬剤師

【剤形を考える】坐剤の使い方【坐剤のよくある質問】

このページでは、坐剤を使用する時に良くある質問をまとめていきます。

1回で、半分や2/3という処方が出た

医師の指示が、1回量が、半分や2/3という処方のことがあります。

その場合は、坐薬の包装の上から、きれいな包丁やハサミ・カッター・カミソリで斜めに切断してもらって、切断面とは逆の先端部のとがっている方を利用します。

このリンク先の挿入の図が、わかりやすいです。【外部リンク

ポイントと注意点

冷蔵庫から出してすぐの場合、基剤が硬くなっており、うまく切断できず、割れてしまう場合もあります。

その場合には、少し室温に置くと柔らかくなり切りやすくなります。
ただし、あたためすぎると溶けてしまうので注意です。

切り取った残りの座薬は、使用せずに捨てるようにしましょう。

坐薬挿入後に油状の排泄物が出た

薬に含まれる成分なので心配はいりません。

一度挿入して出てきてしまった

挿入直後に出てきた場合

坐剤の形が崩れていない場合には、すぐに再度、挿入するようにしましょう。

少し時間をおいて出てきた場合

坐剤の形が崩れていない場合には、挿入しなおします。

座薬の形が崩れており、溶けかけている場合には、薬の一部が吸収されている可能性がありますので、しばらく様子を見るようにしましょう。

効果が見られない場合には、坐剤の形が崩れていなければ再度挿入することが出来ると考えられる場合が多いですが、成分や状態によって判断がわかれ、次回の服用時点までスキップする必要することもあるため、かかりつけの医師・薬剤師に相談してください。

だいぶ時間をおいて出てきた場合(挿入後10-15分以降)

ほとんど溶けており、薬の成分は吸収されていますので、次回のタイミングまで挿入しないでください。

座薬を入れた後、まもなく排便しました

便の中に座薬がほぼ原型をとどめて混じっている時には、もう一度入れ直します。
一部溶けているものが混じっている時には、1-2時間くらい様子をみましょう。

効果が見られない場合には、坐剤の形が崩れていなければ再度挿入することが出来ると考えられる場合が多いですが、成分や状態によって判断がわかれ、次回の服用時点までスキップする必要することもあるため、かかりつけの医師・薬剤師に相談してください。

坐剤は1日に何回まで使うことができますか?

坐剤に限ったことではありませんが、頓用のお薬をどんな時に使うのか、1日何回使用できて、1度使用したらどれくらいあけた方が良いのかを確認することは重要です。

通常、
定期的に1日3回使用するお薬は、頓用においても、1日3回までを限度とし、1度使用したら、4-6時間あけて使用することが多く、

定期的に1日2回使用するお薬は、頓用においても、1日2回までを限度とし、1度使用したら、6-8時間あけて使用することが多いです。

しかし、他にも処方があり、成分の重複や、別途医師の意図がある場合はこの限りではありません。

必ず頓服薬の処方時に、医師に確認するようにしましょう。




子供の正常体温は、成人に比べて高く、また個人差・年齢差・食事、入浴などの状態で判断は変わりますが、目安として、37.5度を越えると発熱と考えます。

ちなみに、解熱剤の頓用として、【発熱時 頓用】の指示があった場合は、38.5度を目安に使用することが多いです。

解熱用の坐剤は、通常1-2時間で効果が表れますが、個人差で遅いこともあります。
少なくとも4-6時間は様子をみましょう。

坐剤が溶けてしまった。

保管の状態によっては、成分の品質などが不確かであるため、一概に再使用を推奨するものではありませんが、
包装ごと、坐剤の挿入方向を下向きにして、20度以下の水につけて固めることで、使用することもあります。

緊急を要する場合で、再使用に関しては、医師・薬剤師に相談してください。

2種類以上の坐薬の処方がありました。どのように使えばいいですか?

別のページで詳しく解説していますので、そちらを参照してください。

坐剤の保管場所

脂溶性基剤の坐薬

体温で溶解するように設計されているため、室温だと溶けてしまう可能性があります。
冷蔵庫で保管するようにしてください。

水溶性基剤の坐薬

体内の分泌物で溶解するように設計されているため、室温で溶けることはありません。
高湿度を避け、直射日光が当たらない、室温で保管するようにしてください。
冷蔵庫で保管することも可能です。

いずれにしても

脂溶性基剤の坐薬や水溶性基剤の坐薬のいずれにしても、混乱しないように、冷蔵庫の保管がおすすめですが、使用前には、数分間室温で戻すか、手で少し温めてから使用しましょう。

もちろん、小さなお子様がいるご家庭では、お子様が誤って口にしてしまわないように、手の届かないところに保管してください。

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