降圧薬を使われている患者様に対し、冬場の血圧変動を抑えるための指導をすることはとても大切です。
ヒートショックによる死亡者は、交通事故による死亡者の3倍を超える年もあったほどです。
コンテンツ
ヒートショックとは・・・
急激な、温度変化により、身体が受ける影響のこと。
温度差の大きいところに移動すると、身体が温度変化にさらされて、血圧が急変するため、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがある。
1回の投薬で、1から10までの情報提供をすることは難しいです。
適切なツールを利用して、より良い投薬に繋げましょう。
入浴時の温度管理に注意してヒートショックを防止しましょう
作成・配布元
- 【配布元】
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 - 【コンテンツ種類】
誰でも - 【監修】
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 研究所(東京都老人総合研究所)

コンテンツ内容
入浴時のヒートショックを防ぐ6つのポイント
- 脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具の 設置や断熱改修
- 今日からできる対策 ~シャワーを活用したお湯はり~
- 夕食前・日没前の入浴
- 湯温設定41°C以下
- 一人での入浴を控える
- 食事直後・飲酒時の入浴を控える
脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具の 設置や断熱改修
冷え込みやすい脱衣や浴室、トイレを暖房で暖めることは効果的対策の一つです。
また、窓まわりは熱が逃げやすいので、内窓を設置するなどの断熱改修も効果があります。
浴室をユニットバスに改修することでも断熱性は向上します
今日からできる対策 ~シャワーを活用したお湯はり~
シャワーを活用した浴槽へのお湯はりが効果的です。
高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯をはることで、浴室全体を暖めることができます。湯沸しの最後の5分を熱めのシャワーで給湯しても十分効果があります。
夕食前・日没前の入浴
夕食を食べる前、できれば日没前に入浴するのが良いでしょう。
日没後に比べて外気温がまだ高く、脱衣所や浴室がそれほど冷え込まないことに加え、人の生理機能がピークにある午後2時から午後4時ころに入浴することで、温度差への適応がしやすいためです。
湯温設定41°C以下
お湯の温度は、41°C以下にしておくことをお勧めします。
一人での入浴を控える
可能な場合は、家族による見守りや公衆浴場、日帰り温泉等を活用し、一人での入浴を控えるといった方法も有効です。
食事直後・飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒時は、血圧が下がりやすくなるため、入浴を控えた方がよいでしょう。
ヒートショックとは
ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の 変化によって血圧が上下に大きく変動することをきっかけにして起こる健康被害のことです。
失神や不整脈を起こしたり、急死に至る危険な状態で、気温の下がる冬場に多く見られます。
入浴時は特に注意
ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生します。
住宅内においても、暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることも珍しくありません。
寒い脱衣室では衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が下がります。
この寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。
一度急上昇した血圧は、浴室の温かい湯につかると血管が拡張して、反対に急激に低下してしまいます。
この急激な血圧上下が失神を起こす原因の一つと考えられます。
浴槽内で失神して溺れて亡くなるケースは「入浴中急死」の典型例と言えます。
外気温が低くなる1月は、入浴中に心肺機能停止となる人が最も少ない8月の11倍にもなり、増加する原因は、ヒートショックによるものといってよいでしょう。
ヒートショックの危険性が高い人
高齢者は特に注意すべきです。
日頃元気な方でも、高齢者は血圧変化をきたしやすく体温を維持する生理機能も低下しています。
また、高血圧の方は、血圧の急激な上下変動による低血圧が起きやすく、意識を失うことが多いかもしれません。
糖尿病や脂質異常症の方も、動脈硬化が進行していることがあるため、血圧のスムーズ な維持が難しくなっているので血圧の変化には気をつけなくてはなりません。